病室へ行く途中、何度か『痛い』と小さく呟いた果織ちゃんの声を、俺は聞き逃さなかった。 病室についた頃には、額には汗がびっしょりだった果織ちゃん。 「………全然大丈夫じゃないでしょ?」 ベッドに降ろした果織ちゃんの顔を覗き混んだ。 「……だいじょぶだもん」 「ううん。大丈夫じゃないよ。」 「……大丈夫なの」 「痛いんでしょ?………怒らないから。」 「……………」 「…教えてくれないと、痛くて辛いのは果織ちゃんだよ?」 「……ん」