高島先生がここに来る、と言っていた時間の10分前。 ベッドから出て病室のドアも開けていた。 「……検査なんて」 検査だ検査だ、とウズウズしているより、逃げてしまった方が気持ちが楽になる。 ……と、心の中の悪魔がそう囁いた。 それに戸惑いを感じる暇もなく、自然と病室の外へと足を踏み入れていた。