「痛いの?」 「ん、痛いの…」 「蒼先生に言わないとどうにもならないよ?」 「……や。痛いだけ」 なんていう、コソコソ声を聞きながら椅子に腰掛けた。 果織ちゃんは聞こえてないと思っているらしいが。 俺には丸聞こえだ。 「……ここ?触っても痛い?」 「痛ッ!!」 果織ちゃんの叫びを聞いて、振り返ると 「……くない」 と付け足す果織ちゃん。