「寝れない?」








いつの間にか戻ってきていた蒼が、携帯を見つつも聞いてきた。








「………。」









「手。………震えてる」








蒼の指さした先には私の手。








確かに小刻みに震えていた。
……無意識だけど。








「何、どうしたの?…………怖い?」









「……また苦しくなったら…目、覚める自信ない」









「……そんなこと言ったら不安すぎて俺寝れねぇよ」








「……ごめん」









「………大丈夫。俺も今寝るから」










……蒼寝たら私・・・










「疲れた……今日さぁ、新しい患者さんいてね?」










「うん……」










「…その患者さん、ちょっと前まで気管の…───



















私……知ってる。





蒼がさりげなく…私に仕事のことを伝えてくれてるって事。





『季蛍が仕事休みで来てないから今の患者さん教えてやる』










………そんなこと、蒼は絶対に言わない。







遠回しだけどわかるように、私に伝えてくれる。







蒼の優しさはいつも私の為。









そんな優しさに涙が溢れそうになって。










仕事行けてないのに、伝えてくれるなんて…。