────「季蛍、………きーほ!」









「…んん?」









「ほら。行くよ」










「……どこに?」











「どこに……って診察室。季蛍大丈夫か」









「私………さ、何でここまできたの?車…?」











「当たり前。」









車の鍵をチラチラと私の目の前で何度か揺らしてから、









「覚えてないの?」









「………ん、うん」









「だからなんかサバの缶詰めとか言ってたの?」









サバの缶詰め…?










「記憶にない……」









「重症だな、こりゃ。……ほら、行くよ」










「……高島先生?」










「うん。そう」