「だって第一病院行ったところでどうもしないし」
「酷くなってからじゃ遅いってことを言ってんの」
「………。」
「フワフワしてんなら尚更。ちょっと立ってみ」
ネクタイの手を再開させて、蒼はそういう。
机に手をついて立とうとするんだけど、フワフワしてる感覚のせいで立ち上がることができない。
「立つこともできないのに病院行かないとか言ってんの?
………酷くなってからじゃ遅いの」
そう言われて足に力を入れて立ち上がってみるものの、頭のフワフワは収まらなくてそのままた倒れ込みそうになって。
そんな私を抱き上げて、そのまま玄関へ運ばれて。
「ここで待ってて。上着着て。
病院行くから」
…………今の私じゃ抵抗できない。


