「ん?……今呼んだ?」
ネクタイを締めていた蒼がひょこりと顔を出して、私の元へ来た。
そんな蒼の手を掴んで目で訴えるんだけど、フワフワしている私の感覚など気づかない。
「……ん?」
ネクタイを締めていた手を止め、少々心配気味に首を傾げてから、蒼は手の甲を私の頬に軽く触れた。
「…熱?上がってきた?」
「ちが…、フワ…………フワ」
「してんの?」
コクリと頷いた私に、蒼は一瞬曇った表情を見せてから
「……やっぱ病院行こう?」
恐れていた言葉を放った。
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