「随分大人になっちゃって。構ってちゃんも」
まるで子供に言うように。
蒼は私に言うんだ。
「……バカ、子供じゃないんだから」
震える声でなんとか言えば
「はは、そうでした。………うちには構ってちゃんの季蛍ちゃんがいたもんね」
「やッやめ…」
「大声出さない。………悪化するだろ」
「…………」
「…すーぐ体壊しちゃって。グズグズの季蛍ちゃんを俺が診て。
……泣くし、暴れるし。
……ほーんと子供みたいなんだから」
「やめ…」
そう言いかけた唇に人差し指が当てられて。
「……だけどほーんとかわいい。うちの構ってちゃ………季蛍ちゃんは」
そんなことを言う蒼って、本当意地悪。
「……ずっと俺の構ってちゃんでしょ?季蛍は」
「………ん」
「なら嘘つくな。
……我慢もするな。
ため込んじゃだめ。
イライラするときだって自分のこと傷つけるな。季蛍はいつもそう。
俺に当たったっていいから。
……なーんとも思わないから、な。」