「果織ちゃん……」







抱いていた果織ちゃんも、だんだんと体の力が抜けてきた気がする。








蒼先生は皆の方へ視線をやっていて気づかないみたいだけど、多分果織ちゃん………








……熱が・・・












「果織ちゃん……さ、今朝さ…」









そう言いかけたところで、果織ちゃんが俺の白衣を握りだした。









「…んッ………ん」








「…ん、どうした?果織ちゃん」









「……痛…」









「え?痛い?」










「ん、ッ………」









「蒼先生ー………」








少し離れているところで立って腕組みしていた蒼先生を呼んでみる。









こっちに視線を向けた蒼先生は、急な果織ちゃんの変化にも気づいたようで








「どうした?」







と未だ寄っかかりながら口を動かす。










「…わからないですけど、急に」









蒼先生の近くに寄れば、果織ちゃんは俺の白衣をさっきよりも強く握るし、離さない。









蒼先生が俺の腕の中から果織ちゃんを抱き上げようとするんだけど、俺に抱きついて離れなかった。









「……果織ちゃん、ちょっと」









……怒られちゃうから蒼先生の元へはいきたくないんだろうけど。








呆気なく抱えた蒼先生は、しゃがんで果織ちゃんに何か聞いていた。









俺は元の場所へ戻って皆のことを見渡す。