何分もして家のチャイムが鳴った。






カチャリ………───







「…あれ」








「……ごーめん。」










そこにいたのは季蛍さんじゃなくて蒼で。










「……ごめん、季蛍がさ。車で……さ、ハハ」









申し訳なさそうに微笑んだ蒼。









「……あ、季蛍さんも体調優れない感じ?」








「今朝までは平気だったんだけど。……車乗ってから気分悪いって言い出して。今降りられない感じ。

落ち着いたら来るから。

ごめんな、本当」









「……いや、大丈夫なんだけど…季蛍さんにごめんって伝えといて」








「あ、うん。……代わりに俺でもいい感じ?」








「…どうだろ」








「……。」








「でも…時間がさ。ごめん、蒼お願いできる?」









「いいよ。」









「……本当ごめん」