───「なーつ」
「…ん?ぱぁ…ぱ」
「夏、ちょっともしもしさせて」
「……ふぇ」
「泣ーくな。」
「ふええ、」
「泣かない。泣かない。」
「まんまあああ」
「えぇぇ」
……そっちか。
響き渡る声を聞きつけてか、看護士まで顔を出した。
「蒼先生?大丈夫ですか?」
「あー………ごめんね。うるさいよね」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「……季蛍いる?」
「あ、今ちょうど…」
と看護士が引き下がると、季蛍が顔を出した。
相変わらず季蛍も顔色が良くない。
「うええええ、ふええええ」
「はいはい、泣かないの」
俺の腕から夏来を抱え上げた季蛍。
「泣かないの。………あ、点滴外れちゃう」
「んんんん!!ぐすっ…グス、」
「熱い……」
「40度だって…。熱」
「…高いね」