朝食を済ませた俺が見つめる中、季蛍は玉子焼きを口に押し込む。
「……」
「朝はちゃんと食べないと」
そう言って立ち上がって俺はネクタイを締めた。
…季蛍の方を見ながら。
「………。」
お味噌汁に手をつけ始めた季蛍に
「なんだ…食べれるんじゃん」
と言うけど、手は止まり箸も置かれた。
「……玉子焼き一つで俺が許すと思いますか」
「………」
「何、食べれない理由でもあんの?」
テーブルに手をついて身を乗り出せば、顔を背ける季蛍。
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