「季蛍!いい加減起きろー」 「ん~。あと五分」 「……って言ってからもう五分だ」 「……」 「本気で遅刻する。……ご飯できてるし」 「わかったよ……起きる」 のっそり体を起こした季蛍は、目をパチパチさせている。 「……」 「………よし、起きたかも」 と言ってまた枕に舞い戻ろうとする季蛍を支えて 「仕事。遅刻する」 「あーはいはい」 起き上がった季蛍が洗面所へ行くのを見て、俺はリビングのテーブルに水を置いた。