先に到着したのは、蒼先生ではなくて果織ちゃんの方で。 「果織?果織!!」 果織ちゃんのお父さんとお母さんが名前を呼ぶ中、俺はその腕の中から果織ちゃんを抱え上げた。 「先生ッ………」 「大丈夫ですよ。……あ、宮川さんお二人のことよろしくね」 「わかりました」 ぐったりする果織ちゃんの呼吸を感じつつも、俺は準備していた部屋へ向かう。