「……なら自分でやる?」 「……ううん」 「じゃあきて」 俺の隣に腰掛けた季蛍に上を向かせる。 「じっとしててよ」 「ねぇ、やっぱやだ…」 「じっとして」 瞼を軽く指で開いて目薬を差す。 「ひゃああ」 「目閉じてて」 目を開けようとする季蛍の目に手を被せる。 「…高島下手すぎ」 「はは、すいませんー。目薬滅多に差さないんです」