────「季蛍、ついた」 体を揺すられて目を開ける。 「……帰る」 「は?…ここまで来て何言ってんの」 苦笑いした蒼が『行くぞ』と車を降りる。 ………行きたくないのに 助手席のドアも開けられて、腕を引かれる。 「…ほら、降りろ」 「ん、やだッ…」 「あのなぁ……。さっきまで何分でつく、とか聞いてたくせに」 「やなの…ッ」