高島に届ける為の資料ファイルを手に抱えて、俺は一般内科の診察室をうろついている。 早めに渡さないといけないのに。こういうときに限っていない。 コンコン 「失礼ー。高島知ってる?」 診察室の中で紙を整理していた看護士が顔を上げて、 「蒼先生。………あ、高島先生そういえば…さっきまでいたんですけどね」 「わかった、ありがとう」 そんな具合に診察室を回っている。