───翌朝





出勤前の季蛍をとっつかまえて、俺はリビングに引っ張る。








「痛いってば、そんな強く引っ張んないで」








「これから季蛍に聞きたいことがある。」









「やだ、やだやだ」









「はい。……まず服あげて」






「…なんで?」








「熱を計る」









「え?熱なんてないけど」









と笑う季蛍の服に無理矢理体温計を突っ込む。







「動くな」







「……ねぇ、なんで?なんで計るの?」








「黙ってて」








「………」