それでも俺の不安は消えないままだった。 「季蛍ー、帰ろ?」 「あ、うん。」 季蛍が俺の持っていた袋に目を向けて、 「あ」 と微かに言ったときは、正直疑ってしまいそうになったけど。 白衣を脱いで駐車場へ向かいながらも、俺は横を歩く季蛍に聞いてみる。 「……季蛍、お昼食べたんだよね?」 「ん?……うん、食べたよ」