「お疲れ様です」 「お疲れー」 そんな声を背に、季蛍と帰ろうとしたその時。 「蒼先生ー」 と背後から名前を呼ばれる。 「ん?」 振り返ると島内さんが持っていたビニール袋を俺に差し出して、 「これ、季蛍先生のです。昼に季蛍先生が置いていった袋なんですけど」 「ああ、そう、ありがとう。お疲れ様」 「お疲れ様です」 また向きを変えて歩きながら、袋の中を覗いてみる。 「……フルーツヨーグルト?」