それから数十分したとき、蒼が医局に戻ってきた。 「…季蛍、昼食べた?」 食べてない、なんて言うことができるはずもなく。 「…食べたよ。さっき」 そう言えば、蒼も頷きで返して医局をまた出て行く。 忙しい間でさえ、気にしてくれる蒼に少し心が痛む。