「で。」 「俺に行けと?」 「………だっていないって言うんだもん。医者が」 「季蛍行けばいいのに。女同士なんだから」 「だって私これから外来だし……」 「…………」 「嫌なの…?」 「じゃなくて。……島内さん嫌じゃない?俺で」 「…大丈夫でしょ」 「そ?ならいいんだけどね」 「……蒼嫌な理由ないもん」 そんなことを言う季蛍に笑みが隠しきれなくて 「わかった、今行くから」 と頭を撫でて部屋を出る。