「……季蛍、血が出てる」 「知ってる…。痛いんだってば」 潤んだ目で言われて、頷くことしかできない。 「島内さん?大丈夫?」 しゃがんで覗き混めば、 「…あっあ…おい先生」 「島内さん、ちょっと顔色が優れないね。高島ー、季蛍のことよろしく」 「はいー」 高島に抱えられる季蛍を見て、少し寂しくなりながらも今はしょうがないと言い聞かせた。