──…「ん、いったぁ」
「先生?季蛍先生?大丈夫?」
果織ちゃんの心配そうな顔。
「……大丈、夫」
「ごめんなさい、私が……」
「ううん。果織ちゃんのせいじゃないよ」
「……蒼先生に怒られちゃう」
「…………大丈夫。秘密にしとくよ」
「…言わないでくれる…の?」
「う……ん……ッ」
「先生?大丈夫?」
そう言われてみれば、全身が痛い。
「………うわ、血出てる」
と思った私の視線の中にもう1人。
「……アレ?島内さん?」
「あ、そうだよ!季蛍先生、島内さんもね、落ちちゃって」
「え?」
「島内さん、さっき季蛍先生助けようとしたけど、間に合わなくて…」
そう言う果織ちゃんの目に涙が浮かぶ。