取りに行かないで、その場にペタリと座り込んじゃう季蛍。 なので、俺は薬の袋を取って薬を開ける。 コップに注いだ水と薬片手に、季蛍の座り込むところへしゃがんだ。 「…ほら。口開けて」 「……どうせ下がんない」 「……から飲まないのはないって言ったでしょ。」 唇に手を当て、無理に少し開けた口の中に薬を入れる。 「はい、次水」 流し込んだ水をゆっくりと飲み込む季蛍。