「ねええ!!なんで下がんないの!!」
涙目の季蛍が机に両手をバンッとついて俺に言う。
「……誰かさんが暴れてて大人しく寝ないからでしょ」
「だって!!全然下がってくれな…ッグス」
「……」
「もおお、いつになったら下がるのッグス、ヒッグ」
「落ち着けって」
手招きして、季蛍を膝上に座らせる。
「そんなに暴走したって酷くなるだけなんだから」
季蛍を左手で引き寄せて、右手でパソコンを弄る。
「……だって、ヒッグ…熱、下がッグス、んない」
「……泣かないの。」
左手で涙を拭ってやる。
「………泣くな」
「だって!!昨日も今日も薬飲んだのに全然下がってない!!
なんで?
……蒼、この体温計壊れてるよ」
「……そんなことないと思うけど?」
「だって…ヒッグ、下がんな……ぃ」
「…どれ。」
前髪の下に手を入れて、額に触れる。
「……熱いよ、季蛍。体温計壊れてない」
「……だって。だって…………グス、」


