「……風邪ですかね?」 「ん。多分」 「……すごい辛そうでしたよ、顔色。…久しぶりに見ました、こんな顔色の季蛍」 「……俺もそう思う。……かなり酷い風邪」 いつの間にか俺の胸元の中で寝息をたてる季蛍。 ……まぁ、嫌がらないからいいんだけど。 「熱が高いし……ちょっと脈が」 聴診器をつけた高島が、開けた服の中に手を入れる。 「よっぽど怠いんですね、診察中に眠るなんて」 聴診器を抜いた高島が、苦笑いして言う。 「……ホントだよな。この状況で寝るなんて」