「ほら。着替えるよ」
「……やだ」
「いい加減にしないと怒るよ。」
「…………」
仰向けになった季蛍の服を脱がして、着替えさせる。
「最初からおとなしくすればいいものを」
「私行かないから。ただ着替えるだけだから」
「…まだそんなこと言ってんの?」
「行かないもんは行かないの」
「9度ある季蛍の自分の立場を理解しろ。…そんな体で病院行かないなんてあり得ないでしょ?」
「……9度あったって元気だも…ん」
「顔色が悪い。……さっきから我慢して喋ってる。本当は辛いくせに。」
「………」
「ほんとに……季蛍は。」


