ピピピピッ ピピピピッ また襟元に手を入れて体温計を確認。 「……9度4。すごい上がっちゃってるし」 「だいじょぶ。元気」 ………ワガママ季蛍。 もうこのやりとりを何年してきたことか。 「……高島が待ってくれてる。」 「や」 「寝るのは薬もらって飲んでから。」 「や」 「風邪んときの診察なんてすぐだろ?」 「や」 ………嫌、の一点張りの季蛍に溜め息をつく。