それから何分もして、お風呂から上がった蒼が寝室へ来た。 首にかかっているタオルで髪をクシャクシャ拭きながら、私を睨んでくる。 「計ったの?」 「計ったよ………。」 ……見てはないけど。 「体温計どこ?」 体温計が挟まっている方を指差す。 蒼の手が服の中に入ってきて、体温計が抜かれた。 「……8度9分、だよ。季蛍」 「………ん。」