とりあえず、良かった。 と安心しきっていた俺の頭の中に、何か引っかかるものがある。 …………何だっけ? 『薬ちょうだい』 と言う季蛍の声が頭の中を通る。 「……あ、季蛍」 果織ちゃんのことでいっぱいで。 まだ放ったままだけど。 よく考えたら、自分から言いに来た? ……俺に助け、求めてた? 『薬が欲しい』=『助けて欲しい•気づいて欲しい』 ………。