椅子をクルリンと回して、高島に渡す。 「……計りな」 体温計を受け取って脇に挟む高島を見届けて、俺は季蛍の手首を握る。 「外来大丈夫だったわけ?」 「ん。大丈夫」 「季蛍はあんま熱上がってなさそうだけど」 「熱くないよ、ほらほら」 と、握られている方じゃない手で俺の手を取って自分の額に当てる。 「……ん。…熱いけど」 「でも上がってないもん」 「………うん。今朝よりはね」