思わず目をパチクリさせる。
「…いや…そう……なの?」
「さぁね?あくまで
俺の予想だから分かんない。」
「そう、だよね…」
あたし、何
期待しちゃってんの!?
葵くんが少しでも
あたしのこと考えて
くれてたのかな、なんて……
「聞いてみれば
いいじゃん、本人に。」
「えっ!?なんて!?」
「『お弁当迷惑?』って。」
平然とした顔で言う建吾くんに
あたしは顔を歪める。
「なんかそれ、『うん』と
言わせないような聞き方…」
「いやいや、アイツは
思ったら言うだろーっ」
そう言って、ははっと笑う。
……確かに。
葵くんならズバッと
言ってくるよね。
「アイツは別に愛梨沙ちゃんと
一緒に居たくないからとか、
そんな訳でお弁当要らない
って言ってるんじゃないよ」
「…ん…そうだといいけど…」
早速聞いてみようかな、
と思い立った矢先
自分がしてしまった
失敗を思い出した。
「……建吾くん」
「ん?」
「あたし今日、あんまり
葵くんが冷たいこと言うから…
葵くんの前で泣いちゃって、
手も振り払っちゃった」
あぁ、
なんてことしたの、あたし。
葵くんが少食だなんて
知らなかったから
1人であんなに怒って。
肩を落とすあたしを見て
建吾くんは小さく頷く。
「あぁー…そうだったね」
「え?見てたの?」
「周りの連中がうるさかったでしょ」
周りの連中……?
「…葵くんがいつも一緒に
居る人達のこと?」
「そう。もちろん俺は
なんにも言ってないよ?」
「あ、うん……」
頷きながら、
その時のことを思い浮かべる。
たしか、あたしが
泣きそうになって下を向いてた時
その人達が葵くんに
『葵の彼女泣いてねー?』
みたいなこと言ったんだよね…
それで葵くん戻ってきて……
「…あのあと、葵くん
何か言ってた……?」
「んーん、何も。
アイツ基本自分の話しないし」
「そっか……でも、どうしよう。
気まずいよ……」
あんなことしちゃって
どうやって話したら………
