回らない頭と引き攣ってしまっている筋肉との両方を叱咤して、私はなんとか微笑んだ。 蝉の声なんて遠くて、ねっとりとまとわりついていた暑さなんて感じなくて、冷たくなっている指先は感覚がない。 私の世界には、今、近藤くんと私しかいない。