言い切ったという達成感と、言ってしまったという焦燥感のせいか、日陰なのにじんわりと漂う暑さのせいか、握り締めた手は汗で濡れていた。 「別に、疑ってるとかじゃないから…、」 そこまで言って、やはり目を逸らしてしまう近藤くんに、私の不安で固められている心は大いに強張った。 近藤くんは少し唇を噛み、何かを堪えるような顔をして、髪をくしゃりと撫でた。 少し汗ばんだ額が見えて、こうなるなら涼しい屋外で告げるんだったと、どこかぼんやりと思った。