「あれだよね?近藤くん。」 「うん、」 「沙羅に用があって来たのかな?」 「たぶん違うと思う…。」 思った通り、近藤くんは私の方なんて見もしないで友達に教科書を借りると去って行った。 「…なにあれ。」 むすっとした雪乃のぼそっと呟かれた声で我に返る。