屋根の上から声が聞こえてゆっくりと其方に顔を向ければ、やはりそこには山崎が居た。



「山南副長すんまへん、まだ言うてへんかったわ。
昨日の任務中におもろい子見つけたんや……それがこの子っちゅー訳や」



屋根から降りて来るなり、山崎は眼鏡の男にそう謝る。



「そうなのですか……山崎くんが認めるとは貴方の技量は凄いものなのですね。
ならば私は入隊を認めますよ。
この組が強くなれるのなら結構ですから」



その人はそう微笑すると建物の中に戻っていった。


その場には私と山崎だけが残る。



「……出自を調べずにあんな簡単に許可を出して大丈夫なのか?」


「ええんとちゃう?
此処はそういう場所やから。

ほな行くで!
挨拶に行かなアカン人が居るからついて来ぃや」



そう言って歩き出す山崎の後を歩いていく。