「此処だ……」 夜が明けてから私は新選組の門に立っていた。 夜のうちは追っ手を気にしながら身を潜めていた。 一つ深呼吸してから私は一歩を踏み出した。 「勝手に立ち入って貰っては困りますね」 その声に足を止めれば、中から眼鏡を掛けた優しげな人が出てきた。 「入隊希望者ですか?」 「山崎って奴に来いって言われたんだ」 「山崎くんに……ですか?」 その人は驚いたように目を見張っていた。 「ホンマやで」