でも、この部屋に、本当に鈴が住んでいるのかは分からない。 この“鈴”って名前だって、本当の名前かなんて、分からない。 「ねぇ、呼んで?」 そう言って鈴は、あたしの髪に触れる。 その瞬間、あたしの心臓はギュッとなにかに潰される。 痛いくらいに、ギュッと。 「ねぇ、李夜」 鈴の声が、静かに耳元で響く。 「……っ……」