嫌いになれたら、どんなにいいだろう。 この人の全てを否定出来たら、どんなにいいんだろう。 「それは少し、寂しいな」 そう言って鈴は、眉を下げて寂しげに笑う。 こんな笑顔も、この触れ合っている冷たい指も、声も、目も。 あたしの全てが、鈴を求めてる。 鈴を求める度に、こんな自分が嫌になる。 「李夜の全部、俺に頂戴」 そしてまたあたしは、自分を嫌いになる。 END