好き、好き、好き。 そんな気持ちが溢れてきて、吐き気がする。 こんな風に、好きで好きで堪らないのに、どうしようも出来ない自分に腹が立つ。 「髪、結構伸びたね」 そう言って、たばこを吸いながら鈴(リン)が言う。 「……別に、そんなに伸びてない」 あたしは鈴の方を見ずに、自分の髪を触りながら言った。 ……まぁ、言われてみれば、少しは伸びたかもしれない。 でも、毛先の方は傷んでいて少し茶色になっている。