アバター

「そうです。今捜査中ですが、ほとんどの事件にアバサイトが関係しています」

牧村の顔色が変わった。

「どのように?」

石井は詰まった。まだ捜査が進展していない。

「携帯小説です」
中渕が石井をフォローした。

「携帯小説がどのように関与しているのですか?」

前回の捜査と違い返す言葉が堅い。

「自殺者が読んでました」
中渕が応えた。

石井が「馬鹿なことを言うな!」と心の中で叫んだ。

「多くの学生さんから、読んでもらっています。おかしな事ではありません」

「何か、苦情とかトラブルとか有りませんか?」
形勢不利になった石井が話を変えた。