アバター

「わかってます」

全面ガラスドアになっているアバサイト本社のドアを開けた。受付の女性二人が、立ち上がり笑顔で迎える。

「あの、警察庁の石井と申します。広報の牧村部長をお願いしたいのですが」

「どうぞこちらへ」と事前に石井の事を聞いていたようだ。二人は奥の部屋に案内された。

暫くして、牧村が、
「どうもお待たせしました」と現れた。

「お久しぶりです」と石井が笑顔で応える。

「今日は、どうなされました?」

「早速で、恐縮なのですが?」

石井が磯山に見せた資料を牧村に見せた。牧村はチラッと見ただけだ。

「これは、報道でご存知だと思いますが、連続自殺事件のファイルです」

「少しは、知っています。中学生、高校生の自殺事件ですよね?」