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石井は、小林に「君は、由香さんの警備で残れ」と言ってアバサイト本社に向かった。
念のため川口署の桜田にも電話し「小林も残りますので、由香さんの警護をよろしくお願いします」と言った。

時計を見ると4時25分を指していた。

石井は一時間ほどしか寝ていない頭がボーとする。ポケットから、フリスケを取り出し、全部を口の中に入れた。口の中がカーと燃える。鼻が痛いくらいスーとする。眠気が吹っ飛んだ。

石井は携帯のアドレス帳に入っているアバサイト広報部長の牧村真一に電話した。

「アバサイトの牧村です」

「私は、昨年暮れに、そちらにうかがった。警察庁の石井です」

「はい。お世話になっております」

「少しお話をしたい事がありまして、五時に、そちらにお伺いしたいのですが、どうでしょうか?」

「はい、いいですよ。六時まで会社にいますので、どう言うお話ですか?」