アバター

石井は目を大きく開け、磯山をみている。どうみても自分と同じ年齢だ。色白で清楚な風貌に、キリットした目に、少しふっくらとした唇をしている。この方が警視庁の講師?

「では、犯人像は?」

「2名以上のグループです。高度な知識を持っています。マインドコントロールの権威です。そして、コンピューターの達人です。大卒。年齢は30代前後。大きな野望を持っている」

磯山は占い師のように、的確に言う。

「今からどう言う展開になりますか?」

「犯行は、エスカレートしてゆきます。最後は……」

磯山は最後で言葉をとめた。
石井はそれを分かっていた。

「生き残った。由香さんが鍵です。犯人にたどり着く可能性があります。由香さんの携帯電話はどうなりましたか?」

「データは見事に消えていました」

「手がかりはゼロですか?」