アバター

「社長助けてー!私の携帯の電源を切ってー!」と叫んだ。

社長には聞こえない。

「山田君、早いね。どうしたんだ、気分でも悪いのか、顔が青いぞ!」

社長は机の上に置かれている膨大な資料で、優子が持っているナイフは見えない。

優子は、社長のデスクの横まで来る。

社長が「どうしたんだ!」と立ち上がる。

優子が社長の腹に、力一杯、ナイフを深く刺す。
社長はびっくりして、後ろに倒れた。その上に優子が馬乗りになり、胸、首にナイフを突き刺す。
社長は「ギャー」と言って絶命した。首の頚動脈からは1メートルぐらい血が吹き出る。返り血を全身に浴びた優子は、廊下に出て、屋上へと階段をゆっくりと上ってゆく。

周りの女子従業員が「キャー、キャー!」と悲鳴を上げる。
階段を下りてくる清掃のおばさんが、瞬きをしない全身血だらけの優子を見て、腰を抜かす。

優子は屋上に上がった。

男子従業員が「もし、もし、警察ですか。殺人事件です。………」と警察に通報している。