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「携帯小説ですか?携帯の会社はどこですか?」

「ネットフォンです。私のと同じで家族割引に入ってます。料金も私が払ってます」

「その携帯小説のサイトは分かりませんか?」

「サイト?意味が分かりません」

「すみませんが、由香さんの携帯お持ちではないのですか?」

「たぶん、由香の部屋にあります」

「今、持っておられないのですか?」

「気が動転して、由香の部屋に置いてきました」

「その携帯の中に、由香さんが自殺未遂をした情報が入っています。その携帯を見たいのですが」

 石井があせった。

「今からですか?」

「はい、今からです。もし理由がわかれば由香さんは回復するかもしれません。ここは、他の警官に警護してもらいますので、心配いりません。取りに帰りましょう!」

 由香の母親は渋っている。由香と離れたくないのだ。

「是非、お願いします」

石井が頭を下げる。

「私は、ここを離れません。鍵を貸しますので、携帯を取ってきて、調べてください」

「ありがとう御座います。マンションは、セキュリティシステムは付いてますか」