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「ドタッ」

白鳥由香の部屋の開く音がした。
憔悴しきった中年の女性が部屋をでる。

「あのう、由香さんのお母様ですか?」

「えっ。はい、そうですが……」

「私、由香さんの警護をしています。石井と申します」

警察手帳を見せる。

「それは、お疲れ様です」
深く頭を下げる。

「大変なところでしょうが、ちょっとお話を出来ないでしょうか?」

母親は少し考えて。

「それでは、病室にどうぞ」と病室の扉を開けてくれた。

中に入ると、一人の少女が点滴をうたれて、静かに寝ている。昨日のような顔ではない。母に守られ安らかな顔で眠っている。

丸椅子を出され「すみません」と椅子に座った。

「状態は、どうですか?」

「意識はありません。身体には何もけがは無いのですが、意識が戻りません」

「由香さんは、自殺されようとしたと聞きましたが?」