アバター

ピュッチはエリナのニックネームだ。

「えっ。どうしたの」
由香は怖いが内容も知りたい。

震える手で携帯を操作する。

アバサイトのマイページが現れる。伝言メールをチェックしてもエリナからの伝言メールは来てない。伝言板を見ても何も書かれていない。アバターを見ると優しく見つめてくれている。口が動き出した。何かを喋っている。
由香は吸い込まれるように、その口元を見ている。
自分の頭の芯からしだいに声が聞こえてくる。
「フフフ…、お前はもう身動きできない。フフフ…」

「身動きができない?」

由香は腕を挙げようとしたが上がらない。
「どうしたのー!。お母さん助けてー!」と言ったが声もでない。
由香は怖くなり目をつぶろうとしたが、瞼も閉じない。

アバターは喋り続けている。

頭の芯の中からまた声がする。

「フフフ…お前は、自分のアバターに従う…」