アバター

「内部回路のAC5と9BXの端子を短絡すれば復活する」

石井の背中は恐怖を感じている。中渕がSAT隊員を怪物に変えていたら終わりだ。後ろから銃で蜂の巣にされる。その後隊員は自殺。中渕に容疑はかからない。

中渕が横に座り執拗に作業の状況をみている。

石井は中渕の顔を見ることはできない。顔を見れば必ずぶん殴る。銃で撃つかもしれない。早く消えろ!

石井はゆっくり慎重に携帯電話を分解している。

「主任、頑張ってください」
中渕は作業内容、時間を把握したのか早足で部屋を出た。

「ふー」
石井は大きく息を吐いた。

頭のいい中渕は何かをするだろう。石井はそれをまともに受けるしかない。何が来るか想像がつかない。坂野が中渕の操作現場をうまく見つけることが出きるだろうか?

石井がSAT隊員に、
「今からここが攻撃される可能性が高い。君しか頼る者がいない。攻撃方法は君に任せる。頼んだぞ!」

「また、怪物が来るのですか?応援を呼びましょうか?」

「それはできない」

磯山は会議室で資料を調べている。中渕に仲間がいるかもしれない。磯山が心配だ。この作戦はあまりに無謀すぎた。しかしもう動き出した。逃げるわけには行かない。